リンク

リンクとはあるファイルが他のファイルと直接あるいは間接的につながっていることでリンクには関連づけの違いでシンボリックリンクとハードリンクの二種類がある。リンクはlnコマンドで作成する。

シンボリックリンク

ソフトリンクともいい、リンクするファイルやディレクトリの位置情報を持つファイルのことでMac OS XのエイリアスやWindowsのショートカットに似た機能でつぎの特徴がある。

• ファイルはi-nodeという番号で管理されるが、シンボリックリンクと参照先ファイルのi-nodeは異なっている。
• シンボリックリンクを開くと、実際にはリンク先のファイルが開かれる。
• リンク先のファイル名が変更、移動、削除された場合、シンボリックリンクに変化はないが参照先にアクセスできなくなる。
• 異なるパーティションのファイルやディレクトリのリンクを作れる。

ハードリンク

ハードリンクはシンボリックリンクとは異なり、一つのファイルの保存領域に複数の異なる名前を付ける機能である。

• リンク先のファイルとハードリンクは同じi-nodeになる
• i-nodeが同じなのでリンク先のファイルとハードリンクは同一タイムスタンプ、同一サイズとなる
• 名前の変更・移動されてもファイルの内容を参照できる。
• ファイルのリンク数が2以上になる
• 異なるパーティション間ではi-nodeが異なるためハードリンクを作成できない

lnコマンド

lnコマンドの書式

$ ln [オプション] リンク先 リンクのファイル

-s

シンボリックリンクを作る。省略時はハードリンクを作る。

lnの使用例

例えば、ファイルtest1.txtのシンボリックリンクtest1s.txtとファイルtest2.txtのハードリンクtest2h.txtを作るには図8.2[リンクの作成]のように操作する。

$ ln -s test1.txt test1s.txt
$ ln test2.txt test2h.txt

作成したリンクは図8.3[シンボリックリンクのリスト表示例]のように表示される。

$ ls -l test1*.txt
-rw-r--r--  1 sakabe  staff   6 13 12 12:40 test1.txt
lrwxr-xr-x 1 sakabe staff 9 13 12 12:40 test1s.txt@ -> test1.txt
$ ls -l test2*.txt
-rw-r--r--  2 sakabe  staff  12 13 12 12:44 test2.txt
-rw-r--r--  2 sakabe  staff  12 13 12 12:44 test2h.txt

• 最初文字がlの場合がシンボリックリンクである。
• シンボリックリンクにはリンク先のファイル名も表示されている。
• シンボリックリンクはファイルサイズとタイムスタンプが異なる。
• ハードリンクはファイルサイズとタイムスタンプがすべてのファイルで全く同じでリンク数が変わっている。

i-nodeの確認

i-nodeはlsコマンドのiオプションで表示でき、ハードリンクのi-nodeがもとのファイルと同一の値なことを確認する。

$ ls -i1
2629366 test1.txt
2629373 test1l.txt@
2629371 test2.txt
2629371 test2h.txt

シンボリックリンクとハードリンクの違いを図示(図8.5[シンボリックリンクとハードリンクの違い])する。